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ないものねだりのろくでなし

2005-06-10




Figure 8

Figure 8

彼は今日たぶん私の心を読んだ。そして私も彼の心を読んだ。私たちは深くは何も言わないしたった一瞬の短い時間だけれど、言葉じゃない何か崇高で澄みきったものを共有して交換した。そのときだけ、私は私であることを忘れて、ただ彼との空気の流れだけを感じる。そして理解の向こう側を垣間見る。だがすぐに私は私に、彼は彼に戻り、時間は元通り、泣きたくなる。一瞬だけ理解を飛び越えても、∞にきみと同じ場所にいることは不可能だからだ。フィギュア8とはそういうことのような気がする。

エリオット・スミスは死んだ。まるで本当にフィギュア8してしまったみたいだった。そして彼は永遠に止まったまま、動きまわる私たちと歌い続ける。

LAは自分にとってほんとうに大切なものに目を向けさせた。私に静かに重みをもって迫る、とても尖っていて確かに刺してくる。そして赤く輝く血が見えたら私は生きているということだ。今まできみと離れていた長い間、いろんな人と話して、いろんな経験をして、孤独にもなって、それでもその間決して変わらなかったもの、夏の音楽、時間、風の吹きかた、場所、想い、そしてきみの空気、私はそれらに心から感謝するよ