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ないものねだりのろくでなし

ほめられた話

人間、誰かにほめられるととても嬉しいものだが、自分の子どもがほめられるというのもまた嬉しいものである。

 

先般、子がクラスメイトに障害名を公表したいと言いだして、その話し合いをした。まずはその話からか。つまり、彼女はクラスメイトに自分が自閉スペクトラムであることを公表したくて三者面談の時に担任の先生に公表することをお願いしたいと言ってきたので理由を聞くと「みんなにわかってほしいから」という単純な答えであったため私のところで止めていたのだ。その時説明したのは、「あなたは発表してそれで満足かもしれないけど、クラスの子の中には、だからなに?だからって○○ちゃんにはこうしてあげなきゃいけないの?そんなの知らないよ。みんなと同じでしょって思う子もいるかもしれないし、そう思うことは悪いことでもない。それも正解だから。今は先生たち大人のみんなはわかってくれてて、配慮もしてくれてるからそれで充分なんじゃないかな?」なんてことだ。一応彼女はそれもそうだという顔をしていたのだが、それで結局私の今後の対応はどうしたもんかと悩んでいた。私は発達障害であることを理由にそれを振りかざして、自分の全部をわかってほしいというような自分だけの正義を押し通すような人間にはなってほしくないというのもあり、だけどもせっかく言ってくれた彼女の考えや意見も尊重し行動にうつしたほうがよいだろうし、ととても答えを簡単には出せず困っていた。

 

結局それをそのまま通級の先生に伝えて相談したところ、私のいないところで真意を聞いてくれたのだった。そこで、「彼女ほんとうにしっかりしてます。まずね、発達障害っていうことばや、自分が発達障害であることをどうして知ってるの?と聞いたら、本で読んだりおかあさんに聞いたりしてるって。それで、なぜみんなに知ってほしいの?きっと何か伝えたいことがあるんだよね?と聞いたら、まずひとつはみんなより得意なことが少ないって言いたいんですって。その点については、得意なことは量じゃなくて質なんだよ、多い少ないよりも質の方が社会に出るときには大切なんだよと説明しました。それで次にこれ私グッときて泣いちゃいそうになったんですけどね、みんなには遅いペースだけど、ちょっとだけ付き合ってほしい、って伝えたいって言うの。それはそうだよね、わかり合いたいよね、って。孤独はさみしいから。みんなとつながりたいって気持ちだと思う。すごいですね。しっかりよく考えてる」と教えてくださった。

実はうすうす感づいていて、友達が欲しいと言ったり、話の中にまぜてほしかったなんて言い出したり。他者に興味のない彼女からそんな言葉が出るとは、なにか変化が起きてるなという感じではあった。

 

それからその日、そのまま授業参観がありお友だちのお母さんとバッタリ会ったので、実はあなたのポストカードを見て絵を勝手に模写してるのよ〜ごめんね〜!なんて軽く近況を伝えると「うわ!それは一番上達する方法なんだよ!その実践すごいね!いきなりリアルな人物を描くのはハードルが高いの。たとえば、鎖骨や肩を描くにしても、実は手をあげると人って鎖骨や肩も上にあがるんだけどね。そんなの描けないの。でも一度イラストレーターが落とし込んで書いた人体は、手をあげてる場合肩があがってる。そういうところが自然と身についちゃう。」なんてパパッと教えてくださって、ははーー!と語彙を失い、プロの目線は本当に違うとびっくりしたのであった。

 

理科の参観について

それでそれとはまた別で、体育と理科の参観があったのですよ。それで本人は理科の実験の時は誰かに助けてもらうことが多くてそれママに見られるの恥ずかしいからあんまり見ないでね。と言うので、そんなことも通級の私の先生に伝えると、お〜助けてもらえてるんだ!それはどんな感じなのか見てきてみてください!と盛り上がり、私もワクワクして臨んだ。

だけどそんなふうに一日中いろんなことがあって、ひさびさに話す人なんかもいてとても充実していたのに、大事な理科の参観の途中で、あれ?なんか蛍光灯がまぶしいな?あれ?耳が聞こえなくなってきた?ん?これは…うん…吐きそう…って私がギブに。リュックで熱がこもって熱中症になってしまいました。帰ってきた本人に聞くと、今回の理科は一人で頑張れたー!とのこと。おお!すごい!けど、あ〜…そうでしたか!なかなか親の思うようにスムーズにはいきません!