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ないものねだりのろくでなし

LASTSUNDAY



16年間飼っていたねこが真昼に死んだ。おれがケージの中を眺めていると犬がケージに飛びかかって揺らしたが息はしなかった。目と口がすこし開いていた。ゆうがた迎えにきた霊園の人は、去年おれの大事な弟を連れて行った人と同じ人だった。ああ、とお互いに目線を交わした。お金を払ってからしっぽを触った。おれはベランダからねこが車に積まれるのを眺めた。父のよろしくお願いしますという声が聞こえた。風が吹いていた。冷たかった。車が見えなくなるまで、じっとにらみつけていた。車が消えた途端、涙がながれた。これで終わった、とおもった



「僕等は夢でできている。夢は僕等が作った。そう、美しい。夢や言葉や死は美しい。愛する人よ 人生は美しい」