2005-01-25
●キムラサクヤの「秘やかな欲望」、マツシマナナヨの「秘やかな願望」
「あ・だ・る・と」に造りは似ている。マツシマナナヨの雑誌についてのうだうだ考はかなりミモノ(ヨミモノ?)だった。こういう人やはり多いのだろうかなあ。現代って怖いわブルブルでも続きが読みたいわワクワクと思ってしまった(例外にもれず悪趣味?)。
●唯物論者の恋
阿部和重の「グランド・フィナーレ」は去年読んで胸糞悪い気分になっただけのものだった。比べるべきではないにしろ、これも同じテーマを扱っている。だから比べる。阿部のは古い。文学としてはよいかもしれない。だが現代文学としてはイケてなさすぎる。この話はより現代的でよりリアルでより文学的で、ただ怖かった。
●ウィンドウズ
コンプレックスのカタマリとコンプレックスのカタマリがぶつかるおそろしさを・・・あーコワイ。SFぽかった。
ブコウスキー!でした。私はブコウスキーが大好きだから、おもしろかった。ちょっと「the fck machine(邦題:ファックマシーン)」に似てる。関係ないけどブコウスキーでは「the copulating mermaid of venice, california(邦題:人魚との交尾」)が一番好き。とてもきれいだから。
●宿題
いちばんすきです。たくさん笑ったし(2ページあたり3回の割合)、最高にキレていて面白かった。
高橋源一郎は現代文学を担っている。あまりにも現代と密着しているので吐き気がするほど怖い。そのリアルさが怖さを帯びるのだ。それは私たちが普段「狂気」と呼んで放置し嫌悪し否認し無関係を装っているものを、ものすごい身近なポップさで私たちの日常にするりと介入するからだ。
やっぱりすごいな、この人の文章読むといつも自分がいかに馬鹿で鈍感なのか思い知らされる。 言葉と言葉の間にある雰囲気があまりにも現代的なリアルさを持っていてとてもおぞましい。ポップアートやサブカルチャーを越えて!
表紙のしりあがりの絵がかわゆい。