ourmusic

ないものねだりのろくでなし

2005-09-11



初選挙


◆日記

High and dry (はつ恋)を読んだ。読みながら、誰かと話をするとき、いつも自分を放り出して話していたなと思った。そんなに好きな類の話ではないし、登場人物もみんなフワフワ現実離れしていて、でもだからこそ新鮮な風が身体の中に吹き込んだ。

先月、横浜あたりでやる勅使川原三郎のダンス公演チケットを取っていたのだが、なんだか全く行く気にならないもんでアッサリと辞めてしまった。なので来週入院するばあちゃんにあげるコラージュを作ったり、毒々しく赤く光るチェリー味の棒付き飴をなめながら選挙に行っただけで、頭で激しい色合いのイングランド国旗を描きながらkinksをぐだぐだ聴いていた。全く異常な感じだった。だがjohn fruscianteがのびのびとうたうlou reedのperfect dayとGary Allanのrunawayがあまりにすばらしくて、私はSUBARASHI-!と大声を出したかったしかしそれとは逆にむしろ何も言葉を出せなくて、出せてもAとか濁点のUとかだった。こういうことが2年前に1回あって、そしてこういう瞬間に、生きていてちょっとはよかったなと思う。人間何年も生きていれば音楽なんてとるに足らない、日常のカンフル剤だとか、感情の埋め合わせになっている。だけど、たまにこうやって音楽のどうしようもない偉大さに打ちのめされる私は誰よりもしあわせだなあと、じつに勝手に思っている。

夜、とつぜん希望が持てなくなって、なんだかとても悲しい気持ちになった。だけど悲しい時には悲しいと言えばいい。私はいつもそういうことを避けてきたんだから。